©ころりよ/forcs
私の幸せな都落ち
何も残らなかった私の、幸せな都落ち
あらすじ
引っ込み思案が災いして、友人も仕事も失った22歳の派遣社員・紬実。逃げるように乗った電車で辿り着いたのは、小さな「穂上駅」だった。青太と祖母・スズに迎えられて始まる、田舎での優しいリセットライフ。
この作品の見どころ
「都落ち」という後ろ向きな言葉に「幸せな」と冠したタイトルが、本作のすべてを物語っています。東京で何もかもうまくいかなくなった紬実の移住は、キラキラした田舎暮らしの夢ではなく、ただの逃避から始まります。だからこそ、穂上の町で出会う青太や祖母スズの、詮索しない優しさが心に沁みる。都会で「できない自分」を責め続けてきた紬実が、この町では誰とも比べられずにいられる——その安堵が、少しずつ彼女の呼吸を深くしていきます。派手な事件は起きません。けれど疲れた心にはこの穏やかさこそがご馳走です。生きるのに少し疲れた方、優しい世界に浸かりたい方に処方箋として薦めたい一作です。
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