無償の愛を死んだキミから

朝藤えふ

幽霊になったキミが、私の毎日を変えていく

あらすじ

好きでもない仕事とどうでもいい愚痴で埋まる、つまらない毎日。そんな私の前に現れたのは、幽霊になった同級生——しかもその姿は私にしか見えないらしい。死んだキミと過ごす、二度目の青春の物語。

この作品の見どころ

幽霊ものと聞いて想像する怖さは本作にはありません。あるのは、生きることに倦んでいた主人公が、死んでしまった同級生との再会を通じて「生きている時間」を取り戻していく皮肉で優しい構図です。私にしか見えない彼女との日々は、誰にも共有できない秘密であると同時に、いつか必ず終わる時間でもある——その儚さが、何気ない会話の一つひとつを愛おしくします。タイトルの「無償の愛」が誰から誰へのものなのか、読み進めるほどに意味が深まっていく仕掛けも見事。日常に倦んでいる方、切なくて優しい物語で泣きたい方、青春の忘れ物を取りに行きたい方に読んでほしい一作です。